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涙の分、今日サカハルさん改めワタリさんにプレゼントで頂いたハーブでも栽培しようと思います。枯らさないよう頑張ります…!
この頃、眠っているときにふといいフレーズを思いつきます。眠っているというよりは起きる直前に思いつく感じなんですが、今日も朝と講義中に思いついてもうろうとしながらメモを取っていました。が、あとあと読み返してみたら何が何だかさっぱりだったということが多々あります。「~は自分を守る壁であり、鳥かごだ」というメモを取っていたのですが、肝心の~に入る主語が抜け落ちてるとか。この場合なんだろう、身体とか肉体とか言いたかったのかしら自分。
今回のお話は死にネタです。
時折無性に書きたくなりますが、可哀想なのであまりたくさんは書けません。なんだかんだやはりハッピーエンドがいいと思うんだ。
苦手な方は閲覧をお控え下さいませ。
※死にネタになります。苦手な方は閲覧をお控え下さい。
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うそつき。
うそつきだあんた。
離さないって言ったくせに。それなのに。
「後から必ず行くよ、先に行きなさい」
こんな時にだって、あんたは笑みを絶やすこと無く言って。あんたは俺の手を離して。
「私を誰だと思っている?忘れたとは言わせないよ。さあ、」
エドワード。
声は耳に届かず笑顔だけ残像に残して鉄扉に閉ざされた。
星屑の街へ
「君を離したりするものか。誰にも渡さないし、独りになどさせてやるものか」
ああ、それなのに。
俺はぼんやりと遠くの空を見つめていた。負傷兵として戦場から送り返された俺はあいつと暮らした小さな部屋で毎日を過ごした。ただ平穏に過ぎていく日々はあの頃とあまり変わらない。
ひとつ、あいつがいないことを除けば。
たくさんの人を失った。自分の部下も、仲間も、上官も。どうして俺はここにいるんだろう。どうして俺は生き残ってしまったんだろう。考えても答えなど出なかった。
唐突に呼び鈴が鳴った。スコープで確認もせずに扉を開ければ、あいつの腹心の部下だったおおよそ軍隊という組織に似つかわしくない、綺麗な女性が立っていた。作戦時、外の待機部隊だった彼女はどのような気持ちであの倒壊を見ていたのだろうか。
「これを預かっていたの。あの作戦でもしも自分の身に何かあったら渡してほしいと」
手渡されたのは純白の封筒だった。気味が悪いぐらいの白さが目に痛かった。それ以上彼女は何も言わず、俺も小さく礼をして戸を閉めた。
リビングに行くまでの距離すら惜しんで封を開け中身を取り出せば、それこそ骨のように白い便箋が入っていた。ぴしりと折り目正しく畳まれたそれを剥がすように開けば、あいつらしい律儀な文字が整然と並べられていた。それは白々しい嘘みたいにあの声色であいつが話しているところを想像させて、一発殴ってやりたいぐらいそれが腹立たしかった。
――君の人生に寄り添えたことを私は幸せに思うよ。
しあわせなんて、勝手に一人で思わないでくれ。二人で寄り添うから、幸せなんじゃないのか?
――君との出逢いは私の人生で何よりも大切な光だった。
光をくれたのはあんただろ?あんたこそ、俺の光だった。
――ありがとう、そしてすまない。
謝るな、礼などするな。そんな言葉要らないよ。
――身勝手と思うけれど、どうか私のことは忘れて幸せになってほしい。
忘れろなんて勝手すぎる。本当は忘れてほしくないんだろ?忘れられないよ、忘れたくないよ。
――君の生は君だけのものだから。
馬鹿、あんたがいない生なんてもう、俺には。
声にならない声を上げて、俺は扉を蹴破るように外へ出た。走って走って走り抜いて、気が付けば最後に二人で星を見た高台の上にいた。
「泣いてなんかねぇっつの、ばか…」
戦いの業火に灼かれた西の空に瞬く凍てつく銀の星屑が、滲む視界におかしなぐらい眩しい。
俺も一つだけ、嘘をついてやった。
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走り書きに「RPGのラスボス前イベント~エピローグみたいな・笑」とありましたが、こんな悲しい結末のRPGはいやだ…!アビスのあの終わり方も相当悲しかったのに…!
一年前の手帳に殴り書きしたのが原型ですが、ふと最近前にそんなネタを書いたな…と手帳を見ずに書いていったら、「これと元を足して2で割ると丁度いいんじゃない?」という内容になっていました。足して引いて2で割って少し足している感じです。