せんちめんたりずむ

失恋したからといってその人を嫌いになるのかっていったら自分の場合そうでもなくて、やはり視界に入るとドキドキはする。
告白した時だって以前から「男女間の友情は成立すると信じている」と言われていたわけだし失敗することは予想もできた。でも希望は持ちたいじゃないか。それが乙女心ってもんだろ。結局失敗したわけだが、向こうは以前と変わらず接してくる。フられた側としては心苦しくもなる。私の三年を返して！、とか無理勝手を承知で言ってみたくもなる。
そんなこんなで若干避け気味になって約一年、久々に話してみたら前みたいに話せるようになっていた自分に勝手に驚いてしまった。相変わらず何を言ってものらりくらりとした話しぶりで懐かしく思う。遍歴を知る友人はそれを見て何だか二人で漫才してるようだと言って笑っていた。彼女には心配を掛けていたのであの笑いは意味深だった。
暖簾に腕押し、柳に風、といったふうの奴につい「なんであんたみたいなの好きになったんだろうねー」と言ったら「どうしてだろうねー」と返された。
そんなもんだろうな、と思った。いい友達でいられたらいいのではないだろうか。