ナメコ封筒2:00

…というメモを私が左手に書いたのを見て蝦夷さんがゲラゲラ笑ってました。「明日の2時になめこと総代の書面議決が入った封筒を持って学校に来る」というメモだったのですが。蝦夷さんがスケジュールの空きコマの欄に書き込んで「何の授業だよ！」と遊んでいらっしゃいました。お仕事は大丈夫だったのかな？


久々のSSSなんですが、正直、内容がやばいです。
物凄く病んでます。
寧ろ病んでるのは私なんですが。
しかもロイエドというよりこれはたぶんエドロイです。
愛することと憎むことは裏返し、とかいう話。
残酷な描写も盛り込んでいるので、苦手な方はお読みにならないで下さい。
その点もふまえまして、今回はR-15とさせて頂きます。

残酷描写があります、苦手な方はお読みにならないで下さい。
15歳未満の方も読まないで下さい。




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　欲しいものを真に手に入れる方法が破壊ならば、愛する人を自分だけのものにするには殺してしまうしかないの？


　　　HOLLOWING　


　あいつが女に笑いかけるのを見た。
　たまたま街を歩いていてそんな場面に出会したわけだが、それがあまりにも絵になっていて、オレはひっそりと壁に拳を叩き付けた。誰から見ても美男美女、似合いのカップル。俺に見せるものとは全く違う笑顔が、打ち付けた拳の痛みも感じさせないほどに俺を苛立たせた。
　俺が自分の胸に巣くう思いに気付いたのはもう随分と前だ。苛立ちを覚えたのはこれが初めてじゃない。
　あんたの口から自分以外の人間の名前が出るだけで胸の奥がドロドロとしていくんだ。他の人間に笑いかけることは、俺の狂気に拍車を掛けるだけ。
　その眼差しも、笑顔も、差し出される手も、思いも、何もかも俺だけに向けて欲しいんだよ。
　始めはこんなんじゃなかったはずなのに、どこで歯車を違えてしまったのかな。純粋にあんたが好きだったはずなのに、今は憎くて仕方がないよ。

　ゆらゆら立ち上る狂気が、身体の中で反響しながら渦を巻いてゆく。
　壊してしまえ、壊せ、壊せ壊せ壊せ壊せ。
　常軌を逸した独占欲のエゴは俺に甘やかな夢を見せる。あいつを壊す夢を。

　まずは逃げ出せないようにその長い足から、乱暴に、でも丁寧に断ち切ってやろう。そうしたら、誰にも触れることが出来ないように手をもいでやるんだ。ただもぐのではなくて、俺に縋り付かせた状態でもいでやりたい。腕の中で激痛に歪む顔はどんなにか綺麗に見えるのだろうね。次はどうしようか？他の誰も見れないように、眼を刳り抜いてしまうのも悪くないね。刳り抜いた目玉は保存液に入れて宝物のように飾ってあげよう。誰とも口がきけないように喉も潰してしまおうか？ああ、でもそれじゃつまらない。心臓にナイフを突き立てて、事切れるまで俺の名前を呼ばせ続けよう。きっとそれだけで逝ける。変わりに俺はあいつが逝くまで耳元で甘い甘ァい声で愛してるって囁いてあげるんだ。最期の最後まで隙間無く俺の記憶で埋めて、殺すの。そうすればだって、もう誰にもあいつを汚すことは出来ないだろう？最初で最後、俺だけがあいつを汚して、その恍惚を手に入れることが出来る。

　だけど、いつも最期の瞬間で夢は醒めて、真逆の現実を俺に突きつける。
　殺してしまったら、どうやってその眼差しを俺にくれる？名前を呼んでくれる？触れてくれる？ほら、結局は無理だろう？
　だって、壊してしまったらそれまでだから。欲しいものは永遠に手に入らない。
　ねぇ、どうしたらあんたの全てを俺にくれる？あんたの全てを俺のものにすることが出来る？
　抉るような痛みを伴って、行く先も知らぬ心は赤黒い闇に蝕まれてゆく。

　あんたを殺すことになる前にどうか、その手で俺を壊してくれ。



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以前どこかでそんな話を聞いたのでした。最近ふと愛と憎しみが裏返しになるって本当なんだと思ったときにこの話を思い出したのでした。あー、ごめんなさい。